生産性の高い人材の雇用を流動化するために必要なことは何だったのか

正社員と非正社員との間で、技能蓄積の機会(OJT)に格差があることは、非正社員がいつまでも生産性の低い仕事に従事せざるを得ない状態を作り出す。2010年代の安倍政権下で執り行われた労働政策は「経済成長のため生産性の低い産業から生産性の高い産業へと労働移動が促進していかなければならない。」というテーマがあった。しかし正社員とは企業が技能蓄積のために選んだ長期雇用者なのだから、労働市場で流動的な人材とは非正社員である。直近の10年間でみても、非正社員では人手不足を埋めることしかできないかった。ここで技能蓄積の高い人材が流動化する頃には、もしかすると正社員においてすら企業は技能蓄積を怠るようになってしまわないだろうか。労働市場で技能蓄積の高い人材が手に入るようになれば、ブラック企業のように、労働市場にフリーライドする企業は必ず現れるのである。

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