ひできくんの合格者編入試験塾をみて思ったこと

昔イラストレーターさんが言ってた

昔、イラストレーターさんがこぼしていた愚痴だが、「2時間で描ける絵を2000円で売るわけにはいかない」と言うことだった。単純に時給1000円じゃ生活できないのもそうだが、彼女はそうした私生活に立ち入らずに理屈を教えてくれた。要は自分がイラストレーターになるのに掛かった時間コストと金銭(専門学校の学費)を考えたら、その投資に見合う金額を上乗せして販売しないと辻褄が合わないということだったのだ。これには大変納得した。

X(旧twitter)に慈恵医大の新一年生がいた

X(旧twitter)に慈恵医大の新一年生がいたが、「来年受験する方、よければ相談に乗ります」と言うことだった。合格した喜びから、医者志望らしく好意で後進の役に立ちたいのだろうな。ひできくんの合格者編入塾は、そういう先輩合格者を数集めて団結させることで、「俺達から教えてほしかったら〇〇円払ってくれ」と言う発言を可能にした結束主義だと筆者は思う。これはオンライン編入学院にも言えることだ。

自由主義の弾き出す答えはゼロ円

完全競争市場モデルで無数の供給者はプライステーカーになる。その線で行けば、既に編入生や卒業生の無料noteや、筆者らでやっている「大学編入!文系の対策」など、あるいは「しまうま総研」や「無限回廊」などの編入と言う文言を取っ払ったうえで大学1、2年生向けコンテンツを制作する団体が数多くあるインターネットで、均衡価格は考えるまでもなくゼロ円だと思われる。そもそも大学や図書館に行けば大量の書籍が無料で読めるのだから、誰の手柄でもなく、何も高度情報化社会の到来など待たずして、大学の講義内容などゼロ円の社会がそびえたっているのである。

無視できない取引費用

しかし、情報の量が多く自分に合った情報を探すのに手間がかかる時間コストと、最悪自分に合った情報を探すことができないリスクを考えると、お金を払ってでも自分に合った情報をレコメンドしてくれる情報探索の教師がいて欲しいと考える動機は十分にある。大学、図書館やインターネットに沢山情報があるけど、君に必要なものを選んできてあげるよというサービスを求める人は必ずいるだろう。大学教育における指導とは、超大雑把に言ってしまえばこの情報探索の教師であり、この部分が有料になるのは、現実に取引費用(時間コストと探索失敗リスク)がゼロにならない限り、自然なことだと思われる。

思想価格

大学編入!文系の対策の、小論文基礎トレーニングコースや独学アシストコースは、その情報探索の教師サービスも無料でやっているし、今後も貫く予定であるが、もはや思想である。こんなものは無料で提供して差し上げなきゃいけないんだという、まあ皮肉を言えば瘦せ我慢なのである。編入予備校の授業料、つまり講師の人件費が高いのも、教える者が先述した人生の辻褄を講師業に求める限り貫かれるだろうし、オンライン編入学院も何かしら思想があってああいうプライシングなのだろう。そしてひできくんの合格者編入試験塾も思想があって、ああいうプライシングなのだろう。思想から手段が逆算されていて、結束主義が用いられているのだと思われる。

文系だなぁ

日本の大学と入試制度は、もともと日本人の気質を見抜いて「文系」と「理系」という括りを編み出したんだと思う。念のため言うと、海外には文系理系という区分は存在しないからね。オンライン編入学院に対する意見が文系と理系で大きく異なるのは、二つの違いをよく表していると思う。オンライン編入学院に対して、文系は一部賛意する者がいるが、理系は大多数が「守銭奴ビジネス」と認識している。この違いが、文系理系の本質的違いだと筆者は思うのだ。文系とは、人がいて、多様な思想や意見があり、その最大公約数的なところに価値観を築くべきだというパースペクティブのことだ。一方で理系とは、便利なものが存続すべきだというパースペクティブのことだ。理系の人ほどオンライン編入学院のやっていることは意味がわからないと思う。ひできくんは理系畑からどう思われるんだろうな。

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