問題です
( )に当てはまる語句を答えなさい。
デジタルマネーで、給与を払えるようにするための規制緩和が検討されている。企業による給与の支払いについて、労働基準法は現金を使うことを原則として定めている。現在普及している銀行口座への振り込みも法律上は例外扱いである。政府はこの例外対象にデジタルマネーを加える考えだ。デジタルマネーとは、貨幣を使わずに電子情報のみで代金を支払う仮想貨幣のことである。
政府は2019年度の実現をめざしているが、お金を預かる資金移動業者が破綻した場合にすぐに現金を引き出せる仕組み作りが難航している。資金移動業者を所管するのは金融庁で、労働基準法を所管するのは厚生労働省と所轄官庁が異なり調整が進んでいない。
デジタルマネーでの給与支払いが可能となれば、( )労働者の利便性が上がると言われている。銀行口座の開設に手間がかかる( )労働者にとってはデジタルマネーの方がスムーズに給与の支払いを受けることができる。また欧米に比べると遅れている日本のキャッシュレス決済の比率を高めることにもなる。
この規制緩和によって、給与振込みを中心に預金を集めてきた銀行のビジネスモデルに変革がもたらされる可能性がある。【出典:2020年東京学芸大学附属高校入試問題社会科より一部改訂】
答えは外国人、ところで
理解出来た受験生に「規制緩和」の意味を改めて質問すると正確な解答者は100%もないです。しかし文章であれば前後文脈で読めてしまいます。そして論述で積極的な者はなんとなく読めてしまった日本語を果敢に使います。
「規制」の意味
「緩和」と「強化」の区別
最低限です。学生の誤用に「当局が規制していない物事」や「正しくは規制強化にあたる物事」を指して用いるなど典型的な誤用です。
ディフェンスに定評のある3年の池上
守備要員3年生が全員「池上」という名前とは限りませんし、同校3年生「池上」が全員守備力に定評のあるバスケットボール選手とも限らないわけですが、「貨幣を使わずに電子情報のみで代金を支払う仮想貨幣」と言われると「仮想貨幣」という専門用語を一つ知った気になれるかもしれません。しかし本当ですか、そういう語彙力の養成は確実に危険です。酷いと「それは仮想通貨と同じだから仮想通貨と同じ意味の言葉なのだな」とやってしまう者もいます。