業界最大手の苦悶
中央ゼミナール(高円寺)は、編入学予備校の老舗、30年以上の実績で業界トップ、通信課程も厚く都内一店舗で全国的なユーザを獲得し業界随一。大学教員や著名人が出校し講義も中ゼミはハイクオリティ。他塾が高校教諭(非常勤)で講師陣を固めるなか一線を画した「教える」のスペリオルから絶大な信頼がありました。経済学分野はミクロ・マクロ経済学講義で神田外語学院(専門学校としては国内随一の編入学実績)の柿坂氏を起用。中ゼミは陣容の厚い老舗、実力派精鋭予備校でした。
しかしそれは何年前の話。競合にシェアを大きく奪われ続けた現在。経営難から講師が離職する一方の中央ゼミナール(高円寺)。元講師や元中ゼミ生らが積極的に同予備校の内部情報を(中には秘密情報に近い情報もあったに関わらず)インターネット上で公開、漏洩発信してしまって・・・さらにそれに呼応するように出店した競合の敵対的営業戦略に対して、まったく太刀打ちができませんでした。
たとえば「集客」といった議題で・・・「中ゼミとは編入学情報そのものを売っている(私たち中ゼミは情報屋である)」という立場に頑なでした。編入学情報で競合他社より優れたパテントがあること、それを最大の強みとしていました。実際「教える力」で凄まじいスペリオルがあったのですが「情報屋」としての横綱相撲を選んでしまったのです。情報は原則クローズド。入学後にアクセス可能なスタンスを貫きました。
小さい学習塾(編入)ほど、過去問題の保有からして限定的です、企業や学習塾であっても現地に赴かなければ一切提供しない大学は多くあります。確かに中央ゼミナール(高円寺)は実績と信頼と人海戦術で過去問保有は非常に手厚いものでした。しかし、たとえばECC編入学院は看板講師のTwitterアカウントをサテライトにして過去問題を含む編入学情報の無償提供を積極的に行いました。そのような情報提供の部分を無償で行う道を選んだ競合他社は枚挙に暇がなく、ユーザは単純に安価でオープンなものを好みました。
志望理由書はガチ
中央ゼミナールが奨める志望理由書の書き方は、様々な予備校や専門学校で承認されるフォーマットです。ここで承認とは、つまり志望理由書の書き方について100%正しいフォーマットが確定していなくて(冷静に考えれば当たり前ですね)、しかしおよそこのように書けば好印象だよという点で、競合他社や専門学校(大学編入コースのあるところ)からOKに近い承認が得られているという意味です。