投稿者「ドレミファソラシ♪おしりファルコン」のアーカイブ

オンライン編入学院の広告戦略がやはり数年前のトレンドのままであること

ちょうど三年前に「編入サークル」の屋号で華々しく開業した現オンライン編入学院ですが、広告戦略が古いなと気付いたひともいるのではないだろうか。筆者は、広告業界(広告代理店業界)における「最新の戦術」、その進化のスピードをひしひしと体感した。たとえ創業者が広告代理店の出身でも、広告代理店が直接経営しているわけではないのだなとつくづく思った。新着なのに、まるで古新聞のような違和感がある。いまの流行を模倣するに、そのための技術を出身の広告代理店とやらから持ち出していないから、できないのである。

世相は、未曽有のパンデミックたるコロナ禍の潮目が、いままさに引き潮である。コロナ禍で、高齢者をはじめとする大量のオフライン層が、オンラインを頼り始めたことを読み切って、まさに高齢者をターゲットにした「わかりやすさ」を売っていた。しかし、あの当時の大手広告代理店は、それこそ現オンライン編入学院がそうであるように、自分たちの手法を模倣した連中を野放しにし過ぎたんじゃないかなと正直思う。実際あの当時の消費者が、自分の直感に寄り添ってくれる広告を信頼したのに対して、最近の消費者は「聴きたがり」といった感じがある。コロナ禍を経て、猫も杓子もyoutubeを見るようになった影響もあるのだろう、「貴方は賢いので本当のことを言いますが」、そのような語り部が増えたなと思う。

最大手電通で過労死自殺の事件が起きてからもう7年が経つ。衝撃的な事件とセンセーショナルな報道で、インターネット上でも話題が話題を呼んだ。そのときの噂と一緒になって、業界の秘密のようなものまでささやかれていた。「広告は偏差値40がわかるように書け」というジャーゴンなど、筆者はよく覚えている。要するに数学のテストで30点台の者が「わかった!」となるように書かないと、広告としてダメだぞということだ。それはその通りだと思う。しかし、一緒になって損をしたくない人々が新しいパイになって、広告が早食い競争をしだしたのを感じる。

ケツゲ王子

小学三年生の佳代子は、担任教師から酷い嫌がらせを受けてしまった。
大学を出たての、まだ若い教諭だから仕方がないのだろうか。
担任教師は、佳代子の目の前で、自分の、ジャージ姿の下半身に手を入れると下着の中からケツの毛をむしり取って、佳代子に見せた。

「かよちゃん、これが先生のケツゲ!」

担任教師は、どちらかと言うと暗い性格の佳代子を笑わせようと思ったのだった。
引きちぎったケツ毛を手のひらで差し出して、見せた。

佳代子はショックを受けてしまい、そのことを、夕飯のときに両親に言った。

「お母さん、今日担任の先生がケツ毛をむしり取って私に見せてきたの。」

「担任の先生ってすごくハンサムよね?・・・なんでかしら!」

すると奥の部屋で野球中継を見ていた伯父が食卓の居間にやってきた。

「かよちゃんは、そういう星の下に生まれた女の子なんだな!ほらっ!」

なんと、伯父も、ケツ毛をむしり取って佳代子に見せた。
引きちぎったケツ毛を手のひらで差し出して、見せた。

「かよちゃんは、イイ男がケツ毛をむしり取って差し出して見せる、そういう女の子に生まれたんだよ!」

伯父はそう言った。

「三人目が王子様だ。次にケツ毛をむしった男が、かよちゃんのための王子様だからね!」

伯父は、にかっと笑った。

その後。
佳代子は高校に入ると野球部の女子マネージャーになった。
同じ学年の男子部員と仲良くなり、友達以上恋人未満。
そのかいあってか、男子部員はチームの四番打者に成長した。
名は、野村と言う。

夜。夏の地方予選で決勝まで進んだ日の夜、明日の決勝戦を前に野村は佳代子を呼び出した。
よく二人で歩いた神社の脇道は、夜になると少し顔色が違うのも気にならないくらい、二人の心は一つだった。

「かよちゃん、甲子園って本当に違うな、行けるのかなって思うと、バットの重さも感じないが、手の甲から骨が飛び出そうなくらい今から緊張してる。」

「・・・野村くん。」

「かよちゃん、本当に好きだ。かよちゃん・・・」

ブチッッ!!!ブチブチブチッッ・・・・!

野村は、ケツ毛をむしり取って佳代子に見せた。
引きちぎったケツ毛を手のひらで差し出して、見せた。

「ケツに毛が生えている理由がやっとわかった・・・。かよちゃんにむしり取ってあげるためだとしか思えない。・・・好きになった日からずっと、ケツ毛をむしるのを我慢してた。」

佳代子は照れくさそうに言ったのだった。
「なんでそんな我慢したんだろうな。野村君じゃなくて、他の人がやってくれちゃったら、どうしてくれたんだろうな。」

(おしまい)

空蝉

高校の野球部。夏休みのグラウンドに一年生の部員がいた。
名は、羽田五作(はたごさく)と言う。
身体は大きく、中学では四番だった。
何の気なしに高校も野球部に入ったが、まったく練習に興味がない。
そういえば中学時代も身体が大きいだけで熱心な選手ではなかった。

蝉の鳴き声がする。
ちっとも涼しくない日の水しぶきのように、どこか清らかな音色だ。

「羽田、またそがいなところで涼んどるんか?」

結衣(ゆい)は高校から羽田と知り合った、クラスメイトの女子だ。

「結衣ちゃん、アイス買うて来てよ。」
「ふざけるな、ばかにしんさんな」

羽田と結衣は、グラウンドの隅、体育館わきの室外トイレの前で、よく出くわす。

「ここなら球も飛んでこんね。」

結衣がにかっと笑って、三段ある階段に座り込む。

「ほうじゃのう。」

羽田が嬉しそうに言う。

しばしの沈黙。
結衣は、少しゾクっとしたので、言った。

「エースの青柳先輩はカッコええね、凛々しゅうて素敵じゃ。」

羽田は黙ったままだったが、またしばらく沈黙してから言った。

「結衣ちゃん、ギターを弾いたらええよ、ギターをいっぱい練習したら青柳先輩が振り返ってくれるよ。」

結衣は四月に軽音楽部に入部していた。全く練習しないが歌は好きだった。
結衣は苦笑いをして、黙って頷くと、文化部の部室小屋に消えて行った。

結衣には友達が数人いた。クラスでは少し浮いていたが輪には入れた。
羽田は身体が大きいが、自分にも他人にもどこか甘いので好かれていた。

軽音楽部の部室で、扇風機が空回りする音に、幾ばくかギターの音が混ざりあうのをいいことに、結衣はつぶやいた。
「ひとりもの同士は嫌じゃ、さびしいけぇこれあげるはごめんだ。」
結衣は羽田が好きだった。

「なにをしとりゃあ羽田がどがぁでもよう思える。」

羽田はと言うと、バレー部にお気に入りがいた。
お気に入りだと言っても、声をかけもしない。
ただ彼女のスパイクもブロックも、たくさん練習した選手のものであることはよくわかっていた。
勤勉な子だと思って好きだった。
サボリ魔の自分とは不釣り合いだとわきまえていた。

軽音楽部の部室で、結衣はたくさんの音の中で、自分のクラシックギターを少し奏でてみた。

「何かが上達するやつなんて大嫌いじゃ。練習するやつは練習しても上達せんやつを馬鹿にしとる。羽田はでかいだけで威張りもせん。うちゃアイスじゃない。」

夏休みのある日、相変わらずサボっている羽田は、先輩に呼ばれた。
主将のサード小川(おがわ)だった。
小川はサボり魔の羽田のこともよく把握していた。
小川は言った。
「打撃練習をやる。やってみんか。羽田は打者が向いとる。走るやつ、打つやつ、守るやつ、全員揃うてチームじゃ。守るやつはどこを守るかまで決める。守るやつらでレギュラーが決まる。でも守るやつらだけがチームじゃないけぇな。楽しいでぇ。」

羽田は、喜んだ。
喜んで、打撃練習に加わった。
久しぶりに、腰を回転させて、腰の体重にボールを乗せるように打った。
ボールが軽く飛んでいくと、羽田は自然と笑みがこぼれた。

しばらくして休憩になると、羽田は、珍しく休憩時間を、部員の輪の中で過ごした。

エース青柳の前にも関わらず、堂々とする羽田は、勢い余って、言った。
「うちのチームは全国大会なんて行けっこんけぇ、練習もきつうない、楽しい。」

この言葉には一同が動揺した。羽田の人となりは知っていたから、危ういとまでは思わなかった。
大半の者がこう思った。
久しぶりに混ざって嬉しいのだろう。次の守備練習にも付き合わせれば、そんなことは言えなくなるだろう。
しかし青柳は、すくっと立ち上がると、険しい口調で言った。

「羽田、ポジションはどこじゃ?」
「ファーストでがんす。」

羽田は、青柳の剣幕に負けず、大してうろたえることもなく答えた。

「その前はどこじゃ?」
「ピッチャーでがんす。」

周りの者は、険しい口調の青柳に、そうとも思わず平気な羽田へ、ここで初めて、訝しげな顔をした。

「一緒にブルペンに来い。糸田(いとだ)、倉持(くらもち)、捕手をやれ。」
青柳は、全く練習しない羽田をブルペンに連れて行こうと言う。
ブルペンとは、ピッチャーの投球練習場であり、およそ羽田のようなサボり魔が上がり込んでスパイクの跡を残していいものではない。
正捕手の糸田と控えの倉持の二人が呼ばれるということは、青柳、羽田、糸田、倉持で投球練習をするということなのだろう。

なぜ。

その場で疑問が沸き上がるより、しかし主将の小川が早かった。
「休憩は終わりだ。実戦守備をする。ピッチャーは醍醐(だいご)がやれ。捕手はわしがやるけぇ。」

それを聴いた一同が声を合わせて「はい!」と返事をすると、休憩は終了した。

ブルペンで青柳は羽田に言った。
「わしが投げたら投げろ。もたもたしんさんな。」

青柳が一球投げるたびに羽田も一球投げた。
羽田は、青柳の隣でふざけたことはできないと思ったものだから、中学の途中までやっていたように懸命に投げたのだ。
しかし20球で青柳の真似などできなくなった。
青柳は、思ったよりずっと早くガタが来た羽田に、苛立ちを隠せなかった。
100球投げたあたりで、「どこが疲れてきた?」と聞いてやろうと思ったものだから、このまま無言でくたばるまで投げさせようと、頭を切り替えた。

しかし羽田には異様な根性があった。ハエが止まりそうな緩い球を、投球フォームこそ無礼のないようにと、80球まで投げた。ヘトヘトの羽田が81球目を投げる前に、先に青柳が82球目を投げた。
その後も青柳が一人で投げ続けた。83球目、84球目、85球目。
羽田と組んだ捕手の倉持は、立ち上がらず、「へい!へいへい!」とキャッチャーミットを構えるのをやめなかった。

青柳は100球を投げ終えると、投げるのを中断した。青柳は無言で、疲れ果てた羽田を見ていた。
捕手の倉持が、仕方なく、羽田のもとに駆け寄ると、言った。

「どしたん?」

「ああ、すまん、倉持さん、疲れてしもうた。」

すっかり、少年のように弱弱しい羽田に、倉持は青柳の顔を見て、言葉を促した。
青柳は言った。
「これくらい練習しとるのじゃ。あがいな発言を平気じゃるようではつまらん大人になる。同じ高校の同じ部活の先輩として、身内を守ったつもりじゃ。」

すると羽田は言った。
「わかる。ピッチャーをやらしてくれるわけじゃないこたぁわかる。」

倉持は、察して言った。
「毎日走れ。走るんならできるじゃろう。野球がさえんくせに野球部におるなぁなんでじゃなんてわし達はゆわん。身内にゆわんけぇなそがいなこたぁ。」

羽田は、この日先輩達に諭されてから、本当にひたすら走っていた。
夏休みも終わるころ、羽田はようやくお気に入りの子と話しをすることができた。
バレー部の清水(しみず)は、羽田とクラスは違うが、学年が同じだ。
体育館から出てきた女子たちの群れと、偶然、ばったり遭遇した羽田は、そのまま、その中にいる清水をボケっと見て突っ立っていた。
他の女子より頭一つ背が高い清水が、同じバレー部の部員の群れをかきわけて、真っすぐ話しかけてきた。

「いつも見よるな。なにか用事でもあるのか。」

羽田は、全く気が付いていないが、いつも母親を見るような目で見てしまっていた。
すぐに視線を切っていたつもりだったが、いつも、実は2秒くらい目と目が合っていた。
この日はいつもの倍くらい見つめてしまった。
清水は、女子達の間ではリーダーのような役目になることが多かったものだから、勇んで、どういうつもりなんだと詰め寄った。

振り切られた女子達は、別段普通だった。
清水のことだから、そういう手合いの男子は、まあ、いるだろうと思った様子だ。

「失礼のないようにとのぼせあがっとりまして。」

羽田は、少し考えてからそう言った。
清水は、顔に出ていないと思いたかったが、少し赤くなってしまった。
中学の途中までピッチャーだった羽田は、自分自身何度か経験のある、打者の苦い快音をここで思い出した。
清水が強い口調で言った。

「野球部は死ぬるほど真面目な人たちじゃけぇ平気でがんす。」

プイっと首だけ捻られてしまい、すぐに背中を向けられてしまった。

羽田は、あの日先輩達に諭されてから、ひたすら走っていた。
ただ、この一幕は小川に叱られた。
「他の部活と接触があるようなら、信用して走り込みをやらせられん。」

そもそもサボり魔の羽田だったが、小川は、ここぞとばかりに忠告して言った。
小川は部室小屋から持ってきた重いマスコットバットを渡すと、羽田に、その場で100回素振りをやらせた。
最後に小川は言った。
「持って走れ。走り込みの途中で足が止まったら、マスコットバットを素振りしていろ。野球部が誤解されんようにな。」

羽田は、夏休みの残りの期間、本当に言われたとおりに、やっていた。
ただ、なんの念力だろうか、グラウンドの隅、体育館わきの室外トイレの前で、頻繁に小休止をしては、マスコットバットを素振りしていた。
サボり魔だったころの憩いの場が、集中できるからだと言えば、その通りだ。
しかし、素振りをしていると必ずやってくる結衣の言い草が心地よかった。
「試合に出るのを諦めるまで見届けちゃるけぇのぉ。」

結衣は毎回テープレコーダーのようにそう言った。
羽田も、毎回テープレコーダーのように返事をした。
「さえん大人になりとうないだけじゃ。」

毎回二人の会話はそれきりだったが、ある日、結衣は意を決して言った。
「羽田、われは諭したらよいのか。」

羽田は、素振りをしていたから、自然と声を張り上げて、振り向かずに言った。
「なんか?」

つっけんどんにされた気がした結衣は、ムッとしてしまい、声を張り上げて言い返した。
「うちが来る思うて毎日ここで素振りをするんなら…」

カツーン

結衣が言い終わるより先に、羽田が、素振りのマスコットバットを、ヘッドを下にして軽く地面に突き立てた。
誤って落としたわけではない。
他の部活の声が遠くに聴こえては、こだましていくグラウンドの隅で、強い太陽に照らされる二人。
蝉の鳴く静けさの中で、羽田は、口を噤んだままの結衣に言った。

「軟派者じゃない。こりゃあ軟派者じゃないのぉ。」

「じゃあうちも違う。よろしゅう励むように。」

結衣は思った。
思ったよりずっと見どころのある羽田が、ただ真っ当な大人になりたいだけの姿を見て、生まれて初めて感じる勇み足のない感情が結衣の自分自身の中でコツリと居場所をつくって陣取ったことが、とても心強いと思った。

9月になって、二学期が始まった。
羽田と結衣は、以前よりよく話した。
自然とそうなるのを憚らずに、何より手と手が近かった、本人たちは気がついていないが、二人の手と手が空間の近くにある。

ある日、クラスメイトの河野(かわの)という女子が、昼休みに、結衣に言った。
「夏休みから、付き合い始めたんよね?」

結衣は、驚いた。
驚く結衣に向かって、河野はさらにまくし立てた。

「周りも気ぃ遣うとるみたいだけど、気にせんでええよ。結衣が羽田の近うをうろうろするのみんな知っとったし、なんじゃろう羽田も男前じゃのぉ。」

河野に向かって、結衣は言った。
「まだまだじゃ。」

河野は、そんな反応も範疇にあったのか、全く驚きもせずに、さらに返した。
「あれま、そがいな感じか。結衣のこと振り向いたのか思うた。われらよう知り合うてからという柄でもないじゃろう。なんじゃろいろきけるとおもって親切にしとったんじゃが。」

すると河野の友達の後藤(ごとう)が近寄ってきて、言った。
「そうよね、羽田のやついつも一人で夜遅う帰宅しとるもんね。野球部の関原(せきはら)が言いよったんじゃけど、羽田は野球部にまだ友達おらんけぇ一人で帰宅しとるんじゃ。先輩に叱られて練習はするようになって柄にものう新学期は夜遅う帰っとるんだってさ。」

結衣は河野と後藤に言った。
「うちの身に何が起きてもわれら面白いんじゃろうな。」

後藤は言った。
「羽田はどつきゃあ転ぶ思う。」

河野は言った。
「羽田は面白いけぇ見よるに限る。みんなそう思うて期待しとる。」

新学期に入ってから、羽田は、野球部の練習にも正しく顔を出すようになっていた。
夕暮れから夜遅くまで、自主練で素振りをしてから帰宅していた。
羽田は、主将の小川の「お前は打者だ。」という言葉と、エース青柳の「身内」という言葉に胸を打たれていた。
味噌っかすのような扱いでも、チームの一員だと信じられることが、ネジを巻きなおしたように頑なになっていたのだ。

夕暮れに、同じ一年の関原が、羽田に言った。
「罵声も浴びせられんくらい出鱈目なやつじゃったけど、一年の輪にそろそろ入れちゃろうか思う。来週あたり適当に飯屋にでも行こう。一食くらい余分に入るじゃろうその図体なら。」

羽田は、関原に言った。
「野球部の練習に、四月についていけんようなって以来、関原や他の部員が少しいびせかった。不甲斐ないものだが、また頑張りたい。」

関原は言った。
「四月は皆ライバルじゃった。ピリピリ、カリカリしとったな。誰がどのポジションやるか、実力に甲乙つけあって、けん制し合うて。しかしもうそんなんも終わった。わしが一年生のまとめ役じゃけぇ、不甲斐のうても仲間は仲間じゃ。」

羽田は、ここで、よっぽど関原には打ち明けたかったが、言わなかった。
野球にも色々あるもので、エースピッチャーだけが脚光浴びて、一番カッコいいとか、そういう競技でも全くないのだと、最近わかったと、打ち明けたかった。言わなかったのは、それではまるで自分が子どものようだと思ったからだ。

自主練は日が沈むまで、羽田は素振りをした。
素振りをしながら思ったのは、結衣のことだった。
結衣は自分より背が低い。
顎に米粒がついたときの目線の先に、それくらいの視点で、最近やけに結衣が、近くにいる。
男らしくなっていったのを自分でも感じていた。

カラーン

羽田は、素振りのマスコットバットを落としてしまった。
右手の握力が急になくなった、やりすぎたか。

「カッコ悪いのぉ。一人だけ何考えとるんじゃろう。関原と食べる飯のことを考えたほうがなんぼかマシじゃのぉ。」

羽田は自主練を終え、ユニフォームを着替えて、夏服の学生服姿で帰った。
羽田は、体育館わきのトイレの横を、通った。

羽田は人影に気づいた。
「なんじゃろうな、亡霊でもおるみたいに。いま帰るところじゃ。」

結衣が、待ち伏せしていた。
昼休みに河野と後藤に言われたのだった。
携帯電話の連絡先くらい交換しないとダメだと言われて真に受けていた。

結衣は、下を向いたまま、言った。
そんなことより結衣は、羽田について知りたいことがあったのだった。
「われは上達しとうて練習する側の人間なのか?」

「チームの一員になった、なれた。それなら練習も上達もしていかにゃあつまらん。」

「上達するような人間は嫌いじゃ。」

「ギター弾いたらええじゃないか。上手になったらみんなが聴きに来て気持ちええのじゃないのか?」

「なんじゃ、なんで変わってしもうたんじゃ、気持ち悪いわ。」

「・・・じゃあわしが聴いちゃるけぇ。」

羽田は、ポロっと言った。言った後でハッとした。
結衣は、ついカッとなって、持っていた携帯電話を振り上げた。
「なんでそんなことを平気で言うのか」と思った。思ったが言えず。
そのまま羽田の顔に携帯電話を投げつけてやろうかと思った。
しかし肝心の羽田の顔が全く動じていなかった。

「・・・なんでわしゃこがいな偉うなったんじゃろうな。」

そう言うと、羽田は、自分の左手がグンと伸びて、2,3メートルも伸びて、結衣の振り上げた右手をギュッと掴んだ気がしたので、さらに言った。

「結衣ちゃん、わしゃガールフレンドがおったことない。」

羽田は、こんなことを言う自分を「情けない」とは思わなかったし、いままで通りである自分に安堵さえあった。
ダメならダメで、伝わってほしいと思ったものが伝わるなら、それはそれで偽りない自分であると、後から後から、ジワリジワリと自分を肯定した。
結衣は、羽田が何も変わっていない「でぐのぼう」であること以上に、羽田が今二人でいる場所を大切にしていることを、理解してあげることができた。
羽田こそ、結衣が見てくれていると思って頑張ったのだから。
結衣にも見えたのだ、運よく校庭のライトに照らされた羽田のボロボロの右手が、言葉の情けなさとは裏腹のものが、しっかりと目で見抜かれたのだった。

「真面目なやつのほうがええにきまっとるけぇ、今日は一緒に歩いて帰ろう、ずっとこがいな日がくると願うとった、ギターも本当は聴いてほしい、うもうなれるまで聴いてくれるなら、嬉しい。」

結衣は、顔がボタボタとただれ落ちてはいないかと、思った。
顔じゅうの熱が、心臓を焼き尽くすように、のどに降りてきたのを飲み込むように、言葉を詰まらせて、羽田とは逆方向に走った。
しかし、すぐに引き返して羽田の方に走り寄った。

羽田の目の前でうなだれて、顔を見ずに言った。
「いやらしいこたぁ期待しんさんなや。」

羽田は、向かい合った結衣の左肩に、右手を添えて、「承知した」と言った。
結衣は、その時の羽田の右手の感触を、いつまでも覚えていることになる。

(おしまい)

若いつもりの50代が日本型雇用慣行を崩壊させたのだ

10年前、お笑いコンビ「ナインティナイン」の岡村隆史はインターネットで批判されたことがある。全く炎上まで行かない規模の穏やかなものだが、筆者なりに衝撃的だった。人気絶頂のコメディアンだと思って久しかったため、「テレビ番組「めちゃイケ」のメンバー全員にも言えることだが、」という前振りで始まる批判には驚いた、「いつまで若いつもりなんだ」と言う。念のため調べたら「めちゃイケ」は5年前に最終回を迎えていた。確認できてよかったが当時やはり落ち目の番組ではあったのだなと思う。

50代は頭を使う仕事において「若くない」どころではなく、知的障害に近いものがある。「The thing exists.」とはつまり「あります。」という意味だ。20代、30代であれば「ありますね。」と言っても間違いなく通じるのだが、50代だと伝わらない場合がある、どういうことかと言うと「ありますね。」ではなく「あります。」と言って欲しいのである。「The thing exists.」は「あ」で始まって「す」で終わる日本語だと思っているから、「あ」で始まって「ね」で終わられると、「The thing exists.」にならないのである。それが日本人の50代男性の典型的な知能なのである。よくも管理職なんてやろうと思ったなと思うが、その言論統制の必要性は、組織管理とハマればハマるものだから、下が上手く支えて機能する50代管理職もいるため致命的に問題視されていないのである。50代は下せ。これはテレビも社会も一緒なのだ本当は。

編入予備校のSNSでのステルスマーケティングに損害賠償を請求する運動

政府有識者検討会で方針が示されている

ステルスマーケティング(以後、ステマ)とは、たとえばSNS上で一般の消費者の投稿を装ったり、一般の消費者に口コミとして特定の投稿を依頼して報酬を支払ったりする行為のことを言います。こうしたステマは今後処罰の対象になることが、政府有識者検討会で示されています。いままでは「優良誤認」というものに関する規則が、ステマを守備範囲としていました。いままではステマ行為に及んだ企業に対して、モノを盗んだり、人を騙したりした人と同様に刑罰を与えるには、「優良誤認」というものに関する規則の構成要件を満たさないと、警察も行政も動けませんでした。それが変わります。ステマをする企業、いままでグレーゾーンを巧みに捌いて許されていた悪徳業者を、取り締まることができるようになります。

罪刑法定主義の我国で遡及刑罰は禁止されている、しかし民事ならば

罰則を規定した法律が成立したからと言って、その時点から遡って罰則を与えることは許されていません。これは罪刑法定主義です。しかし刑事訴訟ではなく、民事訴訟であれば、その時点においても過去のステマ行為に起因する損害が確認されたり、することによって、現行法の規定を大いに参照しながら事実上の遡及が認められる可能性はゼロではありません。

証拠の集め、署名運動の開始

さいたま中央ゼミナール、動きます。SNSで編入予備校等業者のステマ行為と思しきものに対して、徹底的に記録を収集していきます。内部の人間との接触や、事実上の被害者にあたる受験生や保護者の方のご意見や情報も集めさせていただきます。他の業界で「ステルスマーケティング被害」を旗揚げした既存の被害者団体の先達を見習い、彼らと面談などして、正しく被害者団体を設立していきたいと思います。

ご協力をお待ちしています

同様の問題意識の方の協力を求めます。是非ご協力ください、どうぞよろしくお願い致します。

編入予備校は正しい勉強法を知らない受験生をその状態のままにしてちょっとづつ教えてあげるビジネス

そう言われて、「そんなはずないだろう」と思う人はどちらかと言うと私に近い人間の部類なので全然嫌いじゃないです。逆に、そんな当たり前のことを大声で言って何がしたいんだ(どうすることもできない)と言うひとのほうが多いかもしれません。しかし真実であることに変わりはありません。

「先生の予習のほうをみせてください」

そもそも名古屋大学法学部とか京都大学経済学部に編入で合格するような知能の持ち主にしては、不気味なくらい従順です。きっと勘違いしているんですよね、それはきっと一般入試と同じくらい分厚いノートになってくるものであって、それを的確にダイエットして小出しにしたものを経口(口頭って意味)で与えられている、なんてありがたいのだろうって。編入は確かに長時間勉強しないと合格しませんが、それこそ一般入試と同じで、99%その時間とは貴方の地味な反復練習であって、予備校講師が知っているとあなたが思い込んでいる奇跡のメッセージとかではないんですよ。予備校生は本当は、別に一人でできることを、わざわざありがたがって手伝ってもらっている。

そういう予備校生側の勘違いを逆手に取ると言うか、うまく利用して、勉強すべきことを丁寧に小出しにしてありがたがらせるだけです、編入予備校というビジネスは。

最新の観測と需要が質的に変化していること

受験生は基本的に、勉強する範囲がわかったら選書から自分でやって好きな本を読んで勉強する傾向にあります。少なくとも最近、今年の3月、4月以降で新たに編入学の受験生になった人は、「そこまでお世話になるつもりはないです。」という感覚、距離感が出来上がっているように思えますね。根拠は、サイト「大学編入!文系の対策」のアクセス、記事ごとのPVやユーザ滞在時間、リピート率などでそう予測しています。たとえば過去問解答例とか以前までは大きな需要があって、「正解(=真実)」のクオリティが求められていたのですが、最近では「やってみた」のクオリティで受け取られているようです、参考までにということでチラチラっとみて、終わり、そのようなユーザの挙動に変化しつつあります。ただし経験的に、だから書く側がそう思って「やってみました」という感覚で解答例を書くと、偉そうですが、「やってみた」という受け取り方からも滑り落ちることがわかっています。だから可能性として、本当に提供している解答例のクオリティが落ち込んでいるのかという危機感を持つことも、ある種で論理的な考え方なんですけどね。ざっくり、「情報提供者への目線が厳しくなった、使えるものを見抜いてササっと取っていく人が増えた、自分の勉強時間の確保を正しく優先しだした」など予想することができるはずです。

Twitter編入界隈という所は、そもそも「合格者から聞ける、教えてもらえる」というキャッチコピーとは程遠く、そういった役には立たないというのが客観的な見解です。ただ曲がりなりにもECC編入学院というところの法学の講師がフォロワー4500人という規模のアカウントで滞在している社会空間なので、互いに買い支える、擁護・擁立の関係性が出来上がっていたんですね。その法学講師は学生風情をふんだんに擁護していました。そうした社会空間の「大学生」を無理やり青田刈りしてスーツ着せたのが件のオンライン編入学院という歴史なのです。しかし、最近の需要の質的な変容から察するにTwitter編入界隈という所は、今後、正常な反応として「参考にもされない」ようになると思います。実際、Twitterにいる大学生も情報収集というよりは安全に平和にTwitterで息抜きしたり、勉強のペースメイクをしている、だけ、という感じがあります。Twitterなんかで有益な情報に辿り着けるという考え方は「甘い」という風潮にシフトしてくれれば、Twitter編入界隈は金銭目的の横行した一時期のような不健全(過去記事参照)で治安の悪い空間ではなくなるでしょう。

反省もあります。我々が今現在の需要に対して、より脚光を浴びるように、たとえば昨年の試験問題でバンバンと解答例を出版したり、志望校別最新出題傾向の分析を記事にして根拠まで添付するようなことをすると、確かに需要を刺激して売れるんですが、それは、結論だけ言いますと、「やりすぎ」です。これは好意的に解釈して欲しいのです、少ないエフォートで合格する受験生が出てくることは、よくない、などとして入試をスタビライズするから、したいから、というわけではないです。あくまで私事として、「後で一切合切われわれのせいにされたくない」という自衛心から、そこまで信頼されたり、世話を焼いたりすることの、ないようにということです。

予備校講師が予備校生向けにしか情報発信しないことを見落とさないで欲しい

過去問集めは大学を休んででもやってください。五月のGWに過去問を手に入れた人は、四月中に持っていた人が連休中に受験勉強しているのに、そのぶん遅れていいんですか?!ということになります。もちろん編入学を「するぞ!」と思い立った人は六月、七月にも出てくるから思い立ってからのやる気次第なのですが・・・

範囲がわからないでしょう!

予備校講師と講師に教わっている者は試験範囲を知っているから、それが基準になっているんです。講師が、その辺り知ってか知らずか独学勢向けに「GWに集めればいいよ」と言うんですよね。しかし、独学勢にとって過去問集めは初手です。たとえば経済学部に編入したいけど農業経済学が好きだから農業経済学の本が読みたい、読んでしまうというのは編入の受験生だといるんですが、試験対策や受験勉強という意味では方向性があってないです。日頃のモチベーションのためとか、志望理由書のために読むならいいんですけどねって言った時に、予備校だと「関係ない本を一切読むな」って指導するんですよ。

私たちのような独学勢向けの受験対策コンテンツを配っている人間の言ったりやったりすることを予備校講師に持っていくと、まず、否定します。商売潰しと商売の関係性なんだから互いに否定しあうのは当たり前だ・・・って言ったら失礼なんですけど、予備校講師なんてプロでもなんでもないですからね。プロって言うのは大学のテニュア(常勤の教員)のことをいいます。予備校講師というのは「なれなかったひと」です。昔から根本的に疑問なんですよ、なんで編入先のプロに教わる目的で、怪しい職業のおじさんおばさんに教えてもらってるんだろうって。

編入予備校というところの講師職を、小中高の児童・生徒向け学習塾の先生や、一般的な大学受験予備校(本屋に参考書が並ぶような予備校)のチューターとか、まっとうな職種の人間と同一視してはいけませんよ???後者(まともなほう)は、まず文科省認定の教科書があって、それに準拠した学習参考書と問題集があって、あるいは大学入試センターや各大学が作成した試験問題も加味した受験勉強の書籍を出版してそれを使っているんですよ。そういう機構のしっかりした業界に比べたら、教科書どころか思想からして規格化されていないのが編入学世界なので、本当に犯罪です、もう犯罪ですよ。頼らないでください。

たまにいるんですよね、私たち(このサイトとか「大学編入!文系の対策」とか)は無料でやっているから騒がれたりしていて、能力自体は編入予備校のほうが上なんじゃないの?払った分だけ上なんじゃないのって思う人。思うぶんには一向にかまわないんですが、私たちへの憎たらしさからか周囲の人に言葉でそれを発信するのは、受信した人の感化され具合(要は騙され具合、あなたにです)によっては大怪我になったりするので気を付けてほしい。そんな嫌味が言いたくて編入予備校の営業マンなんてよくできるよなって思うけど軽蔑したって犠牲者は減らないですからね。彼らの指導力に期待するくらいなら、自分でスケジュール通り机に向かう工夫でもしたほうが絶対良い。要らないんですよ、私たちと関係ないところで全く不要なんですってば。

くやしがれ

学習塾でアルバイトしていたときに、中3生徒に「くやしがれ」と言ったことがある。学校の定期テスト(数学)が30点だったため。お前はそこからだと、思ったことを包み隠さず言ってみた。生徒は悩んでしまった。ただ何か申し訳なさそうに苦笑いしてみせることを辞めた。くやしいという気持ちがないようではダメだ。筆者なんて、最低限だとしか思えない。高校野球で、「あ~、ダメでしたエヘヘ~」なんていう選手は県予選でも一人としていなかった。くやしがるのは上達の土台だとしか思えない。

ただ当たり前であるが、数学は野球ではないし、教室は野球部ではない。勉強とはつまり義務である。授業が画一的に、やりたくもないものが全員一律に、施されるなかで、生徒の人間的な個性の多様性を見守るという意味では、結論勉強も出来ないのは受け入れるべき個性の一つではないのかと思う。つまり、勉強ができない、イコール、否定、という考え方の犠牲者を生むべきではないと思いとどまるものだ。数学で30点でも平気な生徒は、本気でそんな自分を受け入れているなら、他人にも優しいだろうと。実際そういう生徒だったと思うし、何人も見てきた。

しかし学校がそのあたり明確に答えがだせないままでは、学習塾という存在は非常に、厄介なものになってくるだろう。学習塾は成績を伸ばしさえすればよい場所だ。学力に関心のない生徒の個性を学習塾は潰すし、学力を伸ばしたい生徒の信頼もさらっていくわけである。しかし数学は30点でいいが、30点でいいやはまずい。これが筆者の本音である。数学が30点だったひとの未来はバラエティに富んだものだが、何かにつけて「30%でいいや」と思えるひとは確実に痛い目に遭う。学習塾は非常に危険な仕事だと思う。学習塾もなにも勉強なんて一切できないヤンキーが、スーパーの野菜売り場で真面目に働いている姿を見たときは、本当にわからないものだなと思う。

嫌いなもの

100個の玉の入った壺があって、赤玉と黒玉が50個ずつ入っている壺Aと、赤玉と黒玉がそれぞれ何個入っているかは分からないが合計100個であることは揺るがない壺Bがあったとします。壺に手を入れて赤玉を引いたら1ドル貰えるゲームをすると、ほとんどの人が壺Aで遊びたがるということが知られています。これは有名なエルスバーグの壺の実験で、曖昧性忌避というトピックです。何という学問領域のトピックかは、数学、心理学、行動経済学など、興味を持った学者のバックボーンが様々であることから断言も難しいのです。しかし筆者個人の考えというか、憶測でよければこれは「感情」に近いものだと思います。壺Bの赤玉が50個より少なければ壺Aを、多ければ壺Bを選べばよいと思います。これならば「計算問題」だと思います。しかし比率が分からないのであれば計算問題とは言い難いわけですから感情によるものだと思います。

物事を疑ってかかるときに、それが「感情」なのか「計算問題」なのかは、基本的に誰も気に留めないのですが、自分に説得的な者が果たして「感情」で言っているのか、「計算問題」で言っているのかは確認したほうがよいです。それは案外簡単です、計算問題として定義されているか確認すればよいのです。しかし頭ごなしに疑う人は、その特定の客体になんの前情報もないわけですから、感情で言っています、前情報とはつまり確率分布がないわけです。ネットカフェで、財布を自分のブースに置き忘れたとき、たまたま出るとき廊下に誰かが立っていたかどうかで、筆者は不安の度合いが変わってくるのですが、これも「感情」だと思います。少なくとも完全な「計算問題」ではない。盗難に遭う条件付き確率など知る由もないからです。

その代わり人間は学習をします。確率分布情報を完全に知ることは難しいかもしれないですが、自分が直面するリスクの大きさを学習することができます。財布の盗難はいい例です。危ないことくらい誰でも知っていると言うと大雑把すぎますが、しかしそれは自分が体験した、または見聞きした事象の集合から導かれた仮想的確率分布なのですね。仮想的確率分布に従って、不安になることが「感情」と言い切れるのだろうか。

何か勢いよく「Xだ!Xだ!」と言い張って周りを感化して、実際に「Xかどうか検める機会」を取り付けようとする人が私は大嫌いです。要はその人の相手というか、お世話をしてあげないと、話がはじまらないようなシチュエーションに、「まだ慌てる時間帯じゃないし、いいや」と言って周りが同調して、成立していく様子には虫唾が走ります。感情と計算問題の間で、他者に危険性を訴えることの正当性を緻密に考えることがそんなに貴方達には馬鹿馬鹿しいのかよと言いたくなります。人間の群れを一定方向に動かして遊んでいる者同士でそういう喧嘩になったら、自分達だって困るくせに。